きっと。そうなんだ。

―――その時は不思議とショックではなかった。
なんとなく心の中で予想していたのだろう。
「あぁ、やっぱりな」というのが正直な感想であった。



その時は全然平気だったのだが。



時間がたつとしんみりとした気分が自然とこみ上げてきたのだ。
いつもつけている日記に今日のことを書きとめていると
アイツに当てた今までの思いや思い出が脳裏に浮かんだ。
涙がこみあげてくるのが自分でも分かった。



そして。
一粒、涙がこぼれた。



すると後から後からあふれでてくる。
やっぱり悲しかった。辛かった。
胸が苦しい。息が止まりそう。



このまま寝たらまぶたが腫れる
明日も部活がある、とかそんなことは考えられなかった。
とにかく涙を流して、この思い出ごと洗い流してしまいたかった。
今日はとうてい眠れなそうだ。



正直、いつからかアイツへの思いは消えつつあったのだろう
と思っていた。
『好き』とは言っていたが実際あまりトキメキは無かったし
なんとなく虚しいだけだった。



…と思っていたわけだが。



今日、進展(良くないことで、だが)があって
ショックを受けたことを思うと
やっぱり好きだったのかなぁ、と思う。
思ったところでもう遅いのだろうけど。